Tendai Taishi Written by Seimin Kimura

聖徳太子の名前

聖徳太子

もくじ

『日本書紀』に出てくる聖徳太子の名前が統一されていない

聖徳太子が出てくる最も古い歴史資料は、『日本書紀』です。
そこにに挙げられる聖 徳太子の名前は、次の通りです。

  • 廐戸皇子(うまやと・みこ)
  • 豊聡耳聖徳(とよとみみ・しょうとく)
  •  豊聡耳法王(とよとみみ・のりのおおきみ)
  • 法主王(のりのぬしの・おおきみ)
  • 廐戸豊聡耳皇子(うまやとのとよとみみの・みこ)
  • 上宮之廐戸豊聡耳太子(かみつのみやの・うまやとののとよろみみ・みこ)

この一覧の中に、「聖徳太子」の名前はありません。

「聖徳太子」の名前はいつ出てくる?

初めて「聖徳太子」という名称が出てくるのは、751 年に成立した最古の漢詩集『懐風藻』(かいふうそう)の序と言われています。

「聖徳」とか「上宮」って何?

「聖徳」は諡号(しごう)です。
諡(おくりな)とも言い、貴(とうと)い人の死後に送られる、生前の功績に対する評価に基づく名前です。
「上宮」は、聖徳太子が住んでいた宮殿の名前です。

「聖」という字は?

聖徳太子の「聖」(しょう/ひじり)という字は、分解すると、耳と壬(じん)と口になります。
耳と壬という漢字は、両方とも耳を強調した人の形を漢字にした象形文字(しょうけいもじ)です。
聖という言葉の最も古い意味は、「神の啓示(けいじ・お告げ)を聞くことが出来る者」です。その人を聖 と言います。
「聖徳太子は、10 人の話を1 度に聞いた」という伝説がありますが、このような名前の由来からいたのかも知れませんね♪