Tendai Taishi Written by Seimin Kimura

比叡山参拝その1【お墓参り編】

Temple

こんにちは。

セイミンです。

今回の比叡山参拝のテーマはお墓参りでした。

34,281歩、27.42km、歩きました。

もくじ

比叡山とは

百人一首で有名な慈円(じえん)さんは、比叡山を、

世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ

と詠みました。

ですから、「山」といえば、富士山ではなく、比叡山です。

すげ〜

比叡山は、世界遺産です。

ちなみに、比叡山延暦寺といいますが、延暦寺(えんりゃくじ)とは、比叡山のことで、比叡山の中に延暦寺があるわけではありません。

比叡山 = 延暦寺

東大寺の中に、東大寺というお寺はありませんよね。

東大寺の本堂(中心のお堂)は、金堂(大仏殿)です。

それと一緒。

ちなみに、延暦寺の本堂は、根本中堂(こんぽん・ちゅうどう)です。

開祖は最澄さん


延暦寺を開いたのは、最澄(さいちょう)さんです。

平安時代のお坊さんです。

天台宗の総本山

延暦寺は、天台宗(てんだい・しゅう)です。

「天台」とは、中国の山の名前です。

なぜなら、天台宗は、もともと中国で起こった宗派だからです。

坂本ケーブル乗り場


今回は車泊して、朝一番(8:00)のケーブルで山頂へ。

坂本ケーブルは、日本で一番長いケーブルです。

窓から眺める琵琶湖最高〜。

坂本ケーブルのサイトは、こちら

東塔

さて、東塔(とうとう)に着きました。

目指すは、円仁(えんにん)さんのお墓。

慈覚大師廟(円仁さん)

円仁さんは、第3代目の天台宗代表(座主)です。

ちなみに、現在の代表は、258代目。

慈覚大師(じかく・だいし)は、円仁さんに付けられた称号です。

空海さんが、弘法大師と呼ばれるのと同じ。

中国に留学(遣唐使)して、天台宗の密教(みっきょう)を完成させた人です。

世界三大旅行記である『入唐求法巡礼行記』は、超有名ですね。

まず、延暦寺会館の横を降りていきます。

その先に「この先行き止まり」という看板があって、その行き止まりが円仁さんのお墓(円仁廟/えんにんびょう)。

アップダウンはなく、そんなに遠くはありません。

文殊楼


続いて、文殊楼(もんじゅ・ろう)。

「文殊」とは、文殊菩薩さんのことです。

これも、円仁さんが、中国留学中に訪れた五台山(ごだい・さん)という山の文殊信仰から来ています。

その文殊さまにちなんで、円仁さんが建てたお堂です。

今のお堂は、信長の焼き討ち後、良源さん(第18代目代表)が建てたものです。

星峰稲荷社


次に、総持坊に向かう予定ですが、途中に、星峰稲荷社(ほしみね・いなり・しゃ)がありました。

お稲荷さん(キツネ)の神社です。

この辺りの地名は、虚空蔵尾(こくうぞうお)で、別名、明尾(みょうじょうお?)や、白尾(しろぎつねお?)とも呼ばれるそうです。

つまり、星(星峰)とキツネ(稲荷)が、星峰稲荷社の名前の由来かと。

総持坊


総持坊(そうじ・ぼう)とは、天台宗の密教の流派である穴太流(あのう・りゅう)の伝法に使われる潅頂堂(かんじょう・どう)として使用されいるそうです。

ここで、目を惹くのは、玄関の上にある一つ目のお坊さん。

こえ〜〜!

って、この人、尋禅(じんぜん)さん(第19代目代表)という方らしいです。

おしゃれだけど、こわい….

蓮如堂


すぐ近くに、蓮如堂(れんにょ・どう)がありました。

蓮如さんは、浄土真宗の中興の祖と言われる方です。

延暦寺とは、複雑な関係だったみたいですが…

前唐院


前唐院(さきのとう・いん)は、もともと円仁さん(第3代目代表)の住居であったという伝承もあるそうですが、

円珍さん(第5代目代表)が、円仁さんの学業を讃えて建てたそうです。

ここには、円仁さんが持っていた様々な書籍が収められています。

大講堂


次の目的地は、円珍さんのお墓、智証大師廟(ちしょうだいし・びょう)。

途中にあるのは、大講堂(だいこう・どう)です。

ここには、延暦寺に関係のある桓武天皇をはじめ、聖徳太子や、鎌倉時代のお祖師さまが祀られています。

ちなみに、祖師像は、それぞれの宗派から寄進されたものらしいです。

すげー!総合ミュージアム。

また、ここでは、五年に1度、「法華大会広学竪義」(ほっけだいえ・こうがくりゅうぎ)という、論義(ろんぎ)がなされます。

法華総持院


続いて、法華総持院(ほっけそうじ・いん)。

鮮やかな朱色が目を惹きます。

ちなみに、「法華総持院」は、総称で、東塔、潅頂堂、阿弥陀堂、寂光堂をひとまとめにして、法華総持院と言います。

写真は、阿弥陀堂です。

このお堂は、円仁さんが中国留学中に訪れた長安の都にある青龍寺(せいりゅう・じ)の道場を模して、10年かけて作りました。

東塔


法華総持院の中の、東塔です。

最澄さんは、日本の安泰を願うため、全国に6つの塔を建てました(六所宝塔/とくしょほうとう)。

その6つの中心がこの東塔です。

貫禄ありますね!

潅頂堂


東塔の左脇には、潅頂堂(かんじょう・どう)があります。

ひっそりとしたたたずまい。
しかし、このお堂は、天台宗の僧侶にとって、非常に重要です。

師匠から弟子へ、密教の伝法が行われるところです。

智証大師廟(円珍さん)


阿弥陀堂と東塔を結ぶ回廊をくぐり抜けて、すぐ、左の階段を上り、山頂を目指します。


けっこう登ります。

ほぼ、山頂まで行くと、分岐点を左に(碑が立っているのでわかります)。


少し進むと、智証大師廟(ちしょうだいし・びょう)が見えてきます。

円珍さん(第5代目代表)のお墓です。

山頂


智証大師廟から来た道を戻り、分岐点(碑があったところ)を反対側に進むと、山頂です。

ぶっちゃけ、貯水槽があるだけで、景色も森に遮られてほぼ見えません(写真の柵の中が貯水槽)。

あまり、行く必要ないかも。

ただ、智証大師廟からすぐですので、記念にどうぞ。

弁慶水


武蔵坊弁慶(むさしぼう・べんけい)が天台宗の僧侶だったって知らんかった!

弁慶さんは、仏さまにお供えする聖水(閼伽水/あかすい)をここで汲んだそうです。

山王院(千手堂)


今回の旅の目的でもあった山王院(さんのう・いん)に到着しました。

千手堂(せんじゅ・どう)とも言うそうです。

円珍さん(第5代目代表)の住居です。

「山王」とは、山王権現(さんのう・ごんげん)のことで、円珍さんが中国に留学する前、夢に現れたりしています。

お堂の前の石仏は、円珍さん?

延暦寺会館おすすめグッズ

休憩もかねて、延暦寺会館に寄りました。

そこで見つけたのがこのトートバッグ。


ちょーかわいい〜!

サンスクリット語(梵字/ぼんじ)のロゴがGoodです。

大きい方が4,400円、小さい方が2,200円です。

それから、おすすめなのが、このネクタイピン。

これ、おしゃれですよね〜。

お坊さんなら、輪袈裟にピッタリ!

しかも、630円激安!

横川

続いて、訪れたのが、横川エリア。

ここでの目的は、良源さんのお墓です。

根本如法塔(首楞厳院)

途中に、根本如法塔(こんぽんにょほう・とう)が見えてきたので寄りました。

円仁さんが、『法華経』(ほけ・きょう)を書写して、それを収めた塔を建てたのが起源です。

元三大師堂


続いて、良源さん(第18代目代表)の住居だった元三大師堂(がんざんだいし・どう)。

良源さんは、毎年、春夏秋冬(四季)に、このお堂で講義をしたので、四季講堂とも呼ばれます。

元三大師も良源さんの別名(正式には、大師号)で、良源さんは、正月の三日に亡くなったので、「元三」と名付けられました。

おみくじ発祥の地でもあります。

それから、お堂の中に、マンガが売ってました。

これ、100円。

ちょーお買い得!(コピー代だけでもと取れます)

慈恵大師廟(良源さん)【三大魔所の1つ】


本日最後の目的、良源さんのお墓、慈恵大師廟(じえだいし・びょう)。

良源さんは、元三大師であり、慈恵大師です。

いっぱい呼び方があってややこしい…

良源さんは、比叡山中興の祖だけあって、お墓の前にお堂があります。

VIP〜

いや〜雰囲気ありますね〜

しかも、お墓の形が変わっている。

きのこ!?

まとめ

今回は、8:00の坂本ケーブルに乗り、17:00のケーブルで下山。

ケーブルを使って、山中を歩くだけでも、約7時間でした。

やっぱ、比叡山は広いな〜

本当に、比叡山は魅力の塊です。

まだまだ、行くところいっぱいありますので、次回もレポートします。

では、また!