ブッダの生涯

ブッダ物語15 沙門

第四のサインで出会った苦行者、つまり、沙門(しゃもん、シュラマナ、śramaṇa)は、前にお話ししたカースト制であるバラモン、クシャトリヤ、ヴァイシュヤ、シュードラの四つに含まれません。

沙門(しゃもん)は、当時の新しい形の宗教家・自由思想家たちをそう呼びます。

この沙門は、「努力する」という語根(ごこん)から派生した名詞です。

シャーマニズムの「シャーマン」と語源的に関係があるとも言われています。

そういえば、孔子のお母さんは巫女(みこ)さん(シャーマン)であったと伝えられますね。

この沙門は、バラモン階級に対する反発や批判のあらわれだとされています。

つまり、階級社会への反発です。

最上階級であるバラモンの生涯は、四住期(しじゅうき)という四つの時期に分かれていました。

梵行期(ぼんぎょう・き)、家住期(かじゅう・き)、林棲期(りんせい・き)、遊行期(ゆぎょう・き)の四期です。

バラモンは、青年時代には性的禁欲を守り、ヴェーダの学習と宗教的修行に励みます。この時期が梵行期です。

それが終わると、結婚をして、祖先を祀る火を絶やさないために、祖先を祀る火を絶やさないために子息を産み、教育し、社会的な指導者として活動する期間に入ります。これを家住期(かじゅう・き)といいます。

息子が一人前になると、親のバラモン夫妻は家を息子にまかせ、林の中に小屋を造って住みます。これを林棲期(りんせい・き)といいます。

さらに、晩年には、その小屋をも捨てて山野を遊行(ゆぎょう・歩き回る)しながら修行し、静かに死を迎えるのが、遊行期(ゆぎょう・き)です。

沙門は、生涯、家を出、瞑想や、苦行に専念しましたので、この分類では、第四の遊行期だけに、生涯専念してたといえます。

もちろん、「働く」こともしませんでした。

王などにも敬礼せず、税金も納めず、食事は托鉢によりましたから、乞食者(こつじきしゃ・bhikṣu)とも呼ばれました。

ブッダはこの沙門になることを決意しました。

つづく

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