ブッダ物語22 苦行
十分な師を得られなかった一行は、ウルヴェーラーという所にいたり、そこで、師の力を借りず、自力で悟りを開こうと決心しました。
肉体を痛めつける修行法は、これまで、多くの人々によって、各地で実践されているものでした。
彼は、まず節食(せっしょく)から始めました。
最初は一日一食にし、それから徐々に二日に一食、三日に一食と減らしていきました。
やがて、食物を乞うのはやめて木の実、草の根、植物の葉など粗末な食事をとりました。
その結果、かつて健康だったブッダのたくましい体は痩せ衰え、皮フはしわだらけになり、目は落ちくぼみ、ひどい苦痛と飢えに苦しみ始めました。
それでも、彼は、息を長い間止める修行をし、頭が破裂しそうになりました。
また、夏の灼熱の日中、冬の凍てつく水の中で沐浴(もくよく)をしました。
また、火葬にふされる死体から、ボロ布を拾い集めて身にまといました。
精神力も試すため、夜中に墓地に出かけ座り、獲物を求める野獣の恐怖に耐えることもしました。
その間、彼は瞑想を続けましたが、そのような苦行は全く無意味でした。
このような修行に6年もの歳月を費やします。
そして、ついに、精根尽きて倒れてしまいました。
幸いにも羊飼いが見つけてミルクを与え、彼を介抱しました。
かつての健康を取り戻した彼は、ふただび五人の仲間のところへ戻っていきました。
仲間たちは、その間も苦行を続けており、ブッダ苦行を放棄したことにショックを受け、ブッダに立腹し、彼を相手にしませんでした。
そして、彼を残して、五人の友は旅に出てしまいました。