ブッダ物語24 最後の食事、そして悟り
ブッダが長年求めてきた目的に達する時がきました。
ブッダは、スジャータから供物を受け取ると、ネーランジャラー川へ行き、岸辺にその器を置いて、沐浴のために川に入りました。
それから、岸辺にもどって座り、膝の上に器を置くと、菩薩(ぼさつ・悟りを開く前の姿)として最後の食事を取り始めました。
最後の食事を終えると、手を洗い、器を水に浮かべて言いました。
「もし、今日、私が悟りをひらくなら、この金の器が川上に向かって流れますように」
すると、器は川上へと流れて行きました。
それから、一日ブッダは岸辺の森でくつろぎました。
夕方になると、ブッダは立ち上がり、菩提樹(ぼだじゅ)に向かって歩き始めました。
ソッティアという草刈りに出会い、草を少し分けてもらいました。
ブッダは菩提樹の下にこの草を敷き、東の方角に顔を向け、瞑想の姿勢をとって座りました。
瞑想が始まり、ウェサク月の満月の日、ブッダは完全に悟りを開いた者(ブッダ)となりました。
ブッダの瞑想の過程は、古い経典に詳しく述べられています。
まず、彼は、悪魔に姿を変えたいろいろな世俗の誘惑と対決します。
これは、美しい悪魔の三人娘の誘惑を退ける「降魔」(ごうま)という物語で、しばしば、仏教美術の題材で取りあげられます。