ブッダ物語30 ビンビサーラ王、舎利弗と目連1
ブッダ教団が広がるもう一つの要因は、ある王の帰依である。
マガダ国のビンビサーラ王は、以前、ゴウタマに宗教生活をあきらめるよう説得した人物である。
旅の途中ブッダは、マガダ国の首都ラージャガハに到着した。
ブッダが都に来たことを聞いたビンビサーラ王は、多くのお供えを持って彼を訪ねた。
王は、ウルヴェーラのカッサパが、今やブッダの弟子になっていることに驚いた。
これらのことから、当時のバラモン達がブッダ教団に脅威を抱き、敵対したことが予想される。
王はブッダに帰依し、後に、竹林の園(竹林精舎)を寄進している。
ブッダは、雨季の間、どこか気に入った場所を探し、瞑想にふけるのが常であった。
これを安居(あんご)、または雨安居(うあんご)という。
第一回目の安居は、はじめての説法の直後、五人の最初の弟子たちとともに過ごしている。
ブッダの代表的な弟子として知られる二人の男が帰依したのは、第七回目の安居の時であった。
ラージャガハの近くに、ウパティッサとコーリタという二つの村があった。
それぞれの村には、村と同じ名前の村長がいて、両家は大変親しかった。
ある日、ウパティッサ村長の妻のサーリーが男の子を出産し、コーリタ村長の妻のモッガリーも男の子を出産した。
ウパティッサの息子は、ウパティッサ、あるいは、サーリプッタ(サーリーの息子・舎利弗)と呼ばれ、
コーリタの息子は、コーリタ、モッガリプッタ(モッガリーの息子)、あるいは、モッガラーナ(目連)と呼ばれた。
幼い頃から、ふたりの少年は仲が良かった。
成長するにつれ、どちらも芝居に夢中になり、舞台で見るよりも、多くのことが人生にはあるに違いないと感じるようになった。
そして、二人は人生の真の意味を見つけるため、出家することを決意した。