ブッダ物語8 母の死
ブッダは、生まれてすぐに、「天上天下唯我独尊」(てんじょう・てんげ・ゆいが・どくそん)と言い、七歩歩いたとされます。これらは、どちらも伝説なのでしょう。
まず、ブッダは、生まれてすぐ、「天上の世界でも、天の下のこの世界でも、私は最も尊(とうと)い」(天上天下唯我独尊)と話しました。
そもそも、生まれてすぐ話せるの?
という疑問がわきます。もちろんそんなことはありません。
しかし、ブッダの伝説には、ブッダは、何度も何度も生まれ変わり、この王子の生(せい)を受けた時に悟りを開いたという話があります。
つまり、ブッダが、過去の記憶(前世の記憶)を持ったまま、生まれたとすると、生まれてすぐ話したという伝説も、あながち嘘ではないかもしれません。確かにスーパーベイビーは、現在でもたくさんいますから(笑)。
この「私はとうとい」(唯我独尊)という言葉は、「私だけが偉いんだ!」と、つまり、「ブッダだけが偉い」と解釈してしまいがちですが、実はそうではありません。
ここで言う「私」(我)とは、ブッダ個人を指しているのではなく、われわれそれぞれの「個人」を指しています。
したがって、「それぞれ自分というものは尊いから、自分自身を大切にしなさい」という意味ですね。
確かに、我々は、お父さんや、お母さんを初め家族や周りの方から祝福されて生まれてきました。そして、その関係性がなければ、この世に生(せい)はうけていません。
そのように考えると、生まれてきた「わたし」というものは、非常に尊いものです。さまざまな生命体の「つながり」があるからこそ生まれてきたと言えます。
次に、「七歩あるいた」とあります。関東では「しちほ」、関西では「ななほ」と読むのでしょうか(笑)
これも凄い話です。ブッダは生まれてすぐ歩ける筋力が発達していたということですね(笑)
これは、明らかに伝説でしょう。
ここで、注目したいのは、仏教は7という数字が好きです。他にも3(例えば三宝)、10(十方)などもあります。
7は、初七日(しょ・なのか)や、その倍数49日(しじゅうく・にち)という言葉は聞いたことがある方がいらっしゃるかも知れません。
また、ブッダが、生まれて7日後に、母であるマーヤー王妃は亡くなってしまいます。
これも、7という数字ですね。
つづく