Tendai Taishi Written by Seimin Kimura

卒塔婆(ストゥーパ)

お役立ち 仏事

さて、今日のお題は「卒塔婆」(そとば)です。「塔婆」(とうば)とも言いますね。

お墓に行かれたら、木の塔婆に、ご先祖様の戒名(かいみょう)などが、立派な字で書かれていると思います。こんな感じです。

「卒塔婆」はサンスクリット語で、Stūpa(ストゥーパ)と書き、もともとは、「石や、土を積み上げたもの」を意味します。

ところで、この「卒塔婆」(そとば)は、サンスクリット語の「ストゥーパ」が、伝言ゲームのように、「ストパ」→「そとば」→卒塔婆となったもので、これを専門用語で音写(おんしゃ)といいます。つまり、ある言語の音をそのままの音で、母国語に置き換えたものです。この場合は、インド語の音がそのまま、中国語に置き換えられ、漢字に置き換えられた例ですね。英語で言うコンピューター→computerと同じです。

また、仏教の伝統から言えば、一説に、お釈迦様のお骨(舎利:しゃり)が、大切に保管され、それが塔に納められるようになり、今度は、その塔自体も信仰の対象になりました(仏塔など)。そしてそれをコンパクトに模写したものが、卒塔婆です。「卒塔婆」に「塔」が入っているのもそれにちなんだものかも知れませんね。