ブッダ物語10 シッダールタの慈しみ
ブッダの幼少期は、王子として学問や武芸を磨きました。 机に座って先生の授業を受ける姿のレリーフも残っています。 レリーフとは、壁などにほどこされた彫刻です。 七歳になったブッダは、しばしば、木の下で瞑想にふける時がありました。 ブッダの影は…
『論語』を読んで思うこと
ようやく、『論語』を読み終えました。 いや〜いろいろ考えさせられましたね〜。良い本でした。 非常に勉強になりました。特に、中年の私にとっては。 著者が言うように、この改訂版には、「手がかり索引」「孔子略年譜」が付け加えられていて、とても便利…
道心の中に衣食あり
道心(どうしん)の中に衣食(えじき)あり 天台宗の開祖である最澄(さいちょう)さんの言葉に、次の様なものがあります。 被弘二師。 道弘人。人弘道。 道心之中,有衣食矣。 衣食之中,無道心矣。 世の中には、二種類の先生がいます。 一つは、「道…
ブッダ物語9 養母と尼僧
ブッダの実の母は、ブッダが生まれて7日後に亡くなってしまいました。 私のような父親目線からみると、母親が亡くなってしまい、父親だけで子供を育てることを考えただけで、泣きそうです。 しかし、当時は一夫多妻(いっぷ・たさい)制、つまり、シュッド…
ブッダ物語8 母の死
ブッダは、生まれてすぐに、「天上天下唯我独尊」(てんじょう・てんげ・ゆいが・どくそん)と言い、七歩歩いたとされます。これらは、どちらも伝説なのでしょう。 まず、ブッダは、生まれてすぐ、「天上の世界でも、天の下のこの世界でも、私は最も尊(とう…
ブッダ物語7 アシタの予言
王子が生まれたことで、カピラ城では盛大にお祝いがされました。 また、王子の誕生をお祝いするために、国中からさまざまな人が訪れました。 その中に、未来を見通せる神通力(天眼通/てんげんつう)を持つアシタ(Asita)仙人がいました。 「王子は…
ブッダ物語6 階級制度
ブッダの生涯をお話しするには、必ず、当時インドの階級制度であるカースト制についてお話ししなければなりません。 当時のインドは、カースト制という階級制度がありました。この制度は、現在の私たちのように、勉強していい大学に入り、いい会社に就職した…
ブッダ物語5 母と懐妊
ブッダの母は、マーヤー(Māyā)と言います。 マーヤーは、「不思議な力」(supernatural power)や、「幻」(illusion)という意味です。 仏教の経典などで、「幻」の意味で使われる時は、真実に対する幻で、あまり良い意味…
ブッダ物語4 父
ブッダの父は、シュッドーダナ(Śuddhodana)といい、カピラヴァストゥ(Kapilavastu)という小さな国の王です。 つまり、ブッダは、王子さまと言うことになります。 シュッドーダナの意味は、pure rice(清らかなお米)です…
ブッダ物語3 誕生日
日本では、ブッダの誕生日は、4月8日とされ、ブッダの誕生した姿をかたどった像に甘茶をかけてお祝いをする「花まつり」があります。 また、仏生会(ぶっしょう・え)や灌仏会(かんぶつ・え)などと言われます。 「仏生会」(ぶっしょう・え)とは、読ん…
ブッダ物語2 シッダールタ
シッダールタ(Siddhārtha)は誕生しました。 悟りを開いてブッダ(Buddha)になるまでのシッダールタという名称は、いや、悟った後もなくなった訳ではないのでしょう、「目的を達成した」という意味です。 幼少期の名前ですら素晴らしいで…
ブッダ物語1 十六国
こんばんは。今日から少しずつ、ブッダの生涯を書いていきたいと思います。 紀元前6世紀、現在のインドとネパールの国境に近いヒマラヤのふもとに、シャーキャ(Śākya)族という王族が治める小さな王国がありました。 ブッダはその国の王子として生ま…
どちらが正しいか
こんばんは。 今、新型コロナウィルスの影響により、経済は困窮(こんきゅう)しています。 これ以上の感染拡大を防ぐため、何が何でも接触は控えるべきだ!という意見と、 このままでは、経済が破綻(はたん)する、一日も早くもとの生活に戻すべきだ!と…
あるべきようわ
こんばんは。 『論語』に、このような話があります。 あるお弟子さんが孔子(こうし)先生に、政治とは何かについて聞きました。 先生は、 「主君は、主君の義務を、 大臣は、大臣の義務を、 父親は、父親としての義務を、 妻や子供は、妻や子供として…
対機説法(たいき・せっぽう)
こんばんは。 『論語』に、このような話があります。 子路(しろ)という名前の弟子が、孔子(こうし)先生に、「何かを学んだら、すぐにそれを実行してよいでしょうか」と尋ねました。 先生は、「お父さんが元気でおられる間は、よく考えて、お父さんにお…