論文の書き方【区切り記号】
今回は、論文を書く時に必ず使う「区切り記号」について、解説したいと思います。
今回も参考とする本は、『理科系の作文技術』です。
日本語の文章で必ず使う区切り記号は、点(、)と丸(。)ですよね。
これを使わなければ、文と文の区切りは無くなり、読みにくくなる上に、意味が通らなくなります。
このように、区切り記号は、文章を構成するのに、とても大切です。
もくじ
論文での区切り記号の種類
区切り記号とは何でしょう。
大体は、こんな感じです。
- ピリオド(.)
- コンマ(,)
- セミコロン(;)
- コロン(:)
- なかぐろ(・)
- ダッシュ(—)
- リーダー(…)
- カッコ(「」)
論文での区切り記号の使い方
では、区切り記号の使い方を見ていきましょう。
ピリオド(.)
縦書きの場合(日本語・漢文)は、文章を終える時に打つ記号です。
説明の余地はないでしょう。
コンマ(,)
縦書きの場合は、読点(とうてん)になります。
読点は、「、」ですね。
さまざまな用法があります。
見ていきましょう。
受けることばが、すぐに続くときは付けない。離れているときは付ける。
ぼくは少年です。
おじさんの家に行った。
ぼくは、おじさんの家に行った。
一つ目、二つ目は、受け取る言葉がすぐ後ろに来ているので、コンマはいりません。逆に、打つと文が伸びて読みにくくなります。
三つ目は、「ぼくは」を受ける「行った」が離れいていますので、「ぼくは」のあとに、コンマを打ちます。
二つの文から出来ている文は、間に付ける
これは、「雨が降った」と、「遠足は中止になった」という二つの文が、一文に収められています。
二つの文の区切りが、はっきりするように、コンマを打ちます。
コンマが多すぎると感じた時
逆に、コンマが多すぎると感じた時は、受け取ることばが近い方のコンマを省きましょう。
「行った」が、「きのう」と「ぼくは」を受けています。
この場合、「行った」に近いのは、「ぼくは」なので、「ぼくは」のコンマを省きます。
セミコロン(;)
セミコロンは、もともと日本語に無い記号です。
これは、コンマの親玉みたいな存在で、コンマよりも強い区切りを付けたい時に使います。
私は、あまり使わないですね。
コロン(:)
コロンも日本文にはない記号ですが、私は使います。
これは、文中の区切りとしてコンマよりも強く、セミコロンよりも弱い、中間のニュアンスですね。
特に、そこまで書いたことの詳細や、要約、説明の役割を持ちます。
一言でいうと「すなわち」という感じです。
なかぐろ(・)
「なかぐろ」は、「なかてん」とも言います。
このように、並列、並列連結をあらわす記号です。
便利なダッシュ(—)
ダッシュは、コロンやカッコの代わりによく使われます。
この文の場合は、聖徳太子を「厩戸王とも言われる」が説明しています。
Nダッシュ(en dash)と、Mダッシュ(em dash)
先ほど説明したダッシュが、Mダッシュ(em dash)です。
簡単に言うと、二つの違いは、
- Nダッシュ(–):短い
- Mダッシュ(—):長い
ここで、説明したのは、Nダッシュ(–)です。
論文でよく使うのは、ページ番号を表記する場合ですね。
pp. 23–35
23ページから35ページまで
知らない人が多いので、知っていると自慢できますよ。
リーダー(…)
簡単に言えば、省略記号ですね。
「以下省略」です。
カッコ(「」)の便利な使い方
カッコは、会話を表現する時に使いますが、他にも、そのことばに、特に注意を惹きたいときにも使われます。
聖徳太子は「いない」という研究も盛んになってきた。
カッコが連続する場合
格好が連続する場合は、「」 →『』 →「」の無限ループです。
ある人は、「私が生まれて初めて読んだ長編は、『吾輩は猫である』で、その中には『いくら人間だって、そういつまでも栄える事もあるまい。』という名言が出てくる」という。
まとめ
今回は、「区切り記号」について解説しましたが、
論文の場合は、その掲載雑誌や、指導教授によって、どの区切り記号を使ってもOKか・NGかが分かれますので、始めに聞いておくことも大事ですね。
最後にもう一度、本を紹介しておきます。
マンガもどうぞ。
では、がんばって論文を書きましょう!
聖徳太子は「いない」という研究も盛んになってきた。