比叡山を守る神々【日吉大社】+求法寺+神宮寺跡
こんにちは。
セイミンです。
今回は、日吉大社と求法寺(ぐぼう・じ)、神宮寺(じんぐう・じ)にお参りしました。
もくじ
求法寺
日吉大社の鳥居をくぐると、すぐに比叡山延暦寺の里坊である求法寺(ぐぼう・じ)があります。
ここは、第4代目天台宗代表の安恵(あんね)さんの住居として建てられました。
また、第18代目代表の良源さん(元三大師)が、比叡山で修行する決意を固められたことから、「法(天台宗の教え)を求める」で、求法寺と名付けられました。
本堂には、魔除けの「角大師」(つの・だいし)と、豆大師(まめ・だいし)の護符が売っています。

今度、買お。
日吉大社とは
「日吉」は、「ヒエ」とも「ヒヨシ」とも読みます。
「ヒエ」って、比叡山の「比叡」(ヒエ)と、同じ読みですね。
最澄さんが、比叡山延暦寺を開いた時、大己貴神(西本宮のボス)、大山咋神(東本宮のボス)を延暦寺の鎮守神としたことから始まります。
しかし、当時の日吉大社は、織田信長の焼き討ちですべて失われました。
「山王権現」とは
日吉さんを、山王権現(さんのう・ごんげん)と呼びます。
「山王」とは?
「山王」の名前は、中国の天台宗の本山である国清寺(こくせい・じ)の鎮守神である山王元弼真君(さんのう・げんひつ・しんくん)から来ているそうです。
「権現」とは?
「権現」とは、「権(仮に)、現れる」という意味のです。
「権現」は、平安時代に、「仏さんと神さんは、元は同じ」という思想が生まれました。
これを本地垂迹説(ほんじ・すいじゃく・せつ)と言います。
簡単にいうと、仏さんはメインで、神さんはサブ的な感じ。
また、神仏習合(しんぶつ・しゅうごう)なんて言いますね。
こっちの方が分かりやすいかも。
神さまと仏さまは、同じ(習合)。
仏さまメインで考えていますから、もちろん、仏教徒の一方的な考え方。
仏さんと神さんに上下関係などない!(笑)
だって、そもそも日本は、神さま(天皇さま)の国ですから、
そこに仏教が入ってきて、
ポジション的にどっちを上にするか悩んで、
「じゃあ、一緒でいいやん」ってなったんでしょうね。
山王七社
日吉神社には、メインの社(やしろ)が7つあります。
まさに、神7。
先ほども言いましたが、この中で、大ボスは、西本宮と東本宮の神さま。
AKBで、前田敦子と大島優子でしたっけ(笑)
- 西本宮:大己貴神(おおな・むちの・かみ):大ボス:鎮護国家の神さん
- 東本宮:大山咋神(おおやま・くいの・かみ):大ボス:地神さん
- 宇佐宮:田心姫神(たごり・ひめの・かみ)
- 牛尾宮(山頂):大山咋神(おおやま・くい)の荒魂(あらたま)→東本宮と関係あり?
- 白山宮(しらやまぐう):菊理姫神(くくり・ひめの・かみ)
- 樹下宮(じゅげぐう):鴨玉依姫神(かもたま・よりひめの・かみ)
- 三宮宮(山頂):鴨玉依姫神(かもたま・よりひめの・かみ)の荒魂(あらたま)→樹下宮と関係あり?
東本宮と牛尾宮、西本宮と三宮宮の神さまの名前が一緒なので、関係があるのでしょう。
牛尾宮と三宮宮は、山頂にありますが、牛尾宮は「東」に位置し、三宮宮は「西」に位置します。
牛尾宮→山頂で東に位置する→東本宮
三宮宮→山頂で西に位置する西本宮
ちなみに、山頂の2社の神さまの名前には、後ろに「荒魂」(あらたま)が付きます。
荒魂って、荒々しくて、戦闘タイプの神さまらしい。
鳥居
はじめに、道路に面した鳥居をくぐります。
鳥居の左隣には、、比叡山の碑があります。

やっぱ、比叡山との関係深いね〜
ちなみに、今はあまり使われていませんが、この道が、比叡山に登る正式な道です。→本坂(ほんざか)と言います。
猿塚
鳥居をくぐり、真っ直ぐ進むと右手に猿塚が。
猿塚がどこを指すのかよくわからん…多分ここ
ちなみに、拝観料は300円。
山王鳥居

すぐ目の前には、山王鳥居。
鳥居の上に「山」が付いている特殊な形です。
「山」は、もちろん比叡山です。
ちなみに、「山」を辞書を引くと、富士山ではなく、比叡山がで出てきます。
そうです。日本で「山」と言えば、比叡山なのです。
神猿舎(まさる・しゃ)

しばらく進むと、すぐ右手に、本物のお猿さんがいる神猿舎(まさる・しゃ)があります。

日吉大社で、お猿さんは、メチャ重要です。
お猿さんは、「魔が去る」で、「まさる」らしいです。
西本宮(にしほんぐう)【国宝】
西本宮は、国家を守る神さまです。
東本宮と並んで、日吉大社のBig Bossです。
天智天皇(てんじ・てんのう)が、大津京を開いた時に、鎮守神として大和国の大神神社(おおみわ・じんじゃ)から、おい招きしたと考えられています。
大神神社って、奈良県の三輪そうめんの三輪神社です。
大己貴神(おおな・むちの・かみ)
大己貴神(おおな・むちの・かみ)って、大国主神(おおくに・ぬしの・かみ)の別名らしい。
大国主(おおくに・ぬし)なら聞いた事がある。
日本神話の主要な神さんの1人で、兄弟の神さんにいじめられた人。
また、因幡の白ウサギを助けた神さん。
神猿が守る
西本宮の門は特徴があります。
お猿さんが、4方向を守っています。


またも、猿!
宇佐宮(うさ・ぐう)

西本宮本殿右横から、宇佐神宮に抜けます。
宇佐宮は、聖真子宮(しょうしんし・ぐう)とも言います。
田心姫神(たごり・ひめの・かみ)
田心姫は、女神さま。
須佐之男命(すさのおの・みこと)の剣から生まれたらしいです。
剣から生まれるって、面白い。
白山宮
すぐ近くに、白山宮(はくさん・ぐう)があります。
菊理姫神(くくり・ひめの・かみ)
菊理姫は、黄泉の国の境で、イザナギとイザナミとの喧嘩を仲裁した神さん。
この2人の神さんは、有名ですよね。
神輿収蔵庫

東本宮に向かって歩いていると、右手に、神輿収蔵庫(しんよ・しゅうぞうこ)がありました。
中には入れません。
この中に、神輿(しんよ)があります。
神輿(みこし)ですね。
昔、これを担いで、比叡山の坊さんが、暴れまくった(強訴/ごうそ)。
いかん。いかん。
東本宮
そして、日吉大社もう一つのBig Boss 東本宮です。
東本宮は、もともとこの土地にあった地神さんがいるところ。

大山咋神(おおやま・くいの・かみ)
東本宮の大山咋は、大きな山に杭(咋/くい)を打つ神さん。
つまり、大きな山の所有者を意味し、山の地主神であり、農耕を司る神とされます。
納得!
比叡山の家主さんや(笑)
樹下宮
東本宮の中に、樹下宮(じゅげ・ぐう)があります。
鴨玉依姫神(かもたま・よりひめの・かみ)
樹下宮の鴨玉依姫は、賀茂玉(かもたま)姫とも言うらしい。
巫女(みこ)さんです。
この巫女さんが、鴨川(賀茂川)で、川遊びをしていると、川上から朱塗りの矢が流れてきました。
そして、その矢を持ち帰ると、神の子を身ごもった。
という伝説が残っています。
三宮遙拝所・牛尾宮遙拝所

奥殿への道のり
東本宮の手前から、三宮宮と牛尾宮がある山頂に向かうことが出来ます。
山頂に向かうには、結構距離があります。
というより、急な上り坂です。
と言うことで、お年寄りにはキツいので、遙拝所があります。
つまり、山頂まで行かなくても、ここで拝んでOKってことですね。
「遙拝」(ようはい)とは、遠くへだたった所から、神さまを拝むこと。
では、山頂の三宮宮と牛尾宮に向かいましょう!
まずは、三宮・牛尾宮の遙拝所の真ん中の階段を上がって行きます。
結構斜面のきつい坂をグリグリ上がって行く感じ。
神宮寺跡
山頂に着く前に、神宮寺跡に寄ります。

神宮寺(じんぐう・じ)は、最澄さんのお父さんが、子供に恵まれなくて、子供を授かるために、ご祈願したところ。
ここに、庵(いおり)を編んで、山王さまにお願いすると、7日目に最澄さんが生まれたそう。
それで、その跡地にお堂が建てられました。
ここを訪れるのは、今回の目的の1つでした。
この神宮寺を、さらに進むと、比叡山の横川エリアに繫がっています。
次回、挑戦するしかない!
話を戻します。
神宮寺向かうには、まず、山頂と同じ道を進みます。
そして、山頂間近に、左に折れる道があります。
看板があるので、よくわかります。
左に曲がったら、ひたすら一本道。結構遠いので、
「本当に合っているのかな?」
と思ってしまいますが、自分を信じて突き進んでください。→下り坂があるので、このまま山を下りてしまうのかとマジあせる。
やがて、神宮寺が見えてきます。
ヾ(≧∇≦*)/ ヤッタ~!!!

ここで、もの思いに耽りながら、休憩しました。
マジで、スピリチュアル感ハンパないです。
山頂の金大巌(こがねの・おおいわ)
来た道を分岐点まで戻れば、山頂はすぐそこです。
山頂には、真ん中に金大巌(こがねの・おおいわ)、左に三宮(さんのみや・ぐう)、右に牛尾宮(うしお・ぐう)があります。
山頂から見るびわ湖最高です!(あんまり写真良くないけど…)
気分としては、
野宿して、朝一番の琵琶湖を見たい!
一応、Wi-Fiも飛んでいたので、パソコンも使えそう♪
ほんで、ググったら、
「朝日に輝く金大巌」って最高らしい。

ちなみに、野宿OKかは、知りません(笑)
牛尾宮(うしお・ぐう)
牛尾宮は、大山咋神(おおやま・くい)の荒魂(あらたま)さまがいらっしゃいます。
大山咋神さんの戦闘バージョンってイメージなのかな?
三宮宮(さんのみや・ぐう)
三宮宮は、鴨玉依姫神(かもたま・よりひめの・かみ)の戦闘バーションです。
円珍(えんちん)さんの山王三聖とは
5代目天台宗代表の円珍さんは、この山王権現(日吉さん)をとても信仰していて、
「山王三聖」(さんのう・さんしょう)という言葉を使います。
つまり、比叡山の三神ですね。
豆知識としてどうぞ。
- 大宮:西宮:大比叡(おおびえ)
- 二宮:東宮:小比叡(おびえ)
- 聖真子宮(宇佐宮)
まとめ
今回は、雨だったので、携帯をケースに入れての撮影でした。
ですから、ちょっと曇った写真があるのが残念。
改善、改善。
旅は学び、
学んでまた旅、
セイミンでした。