見ざる・言わざる・聞かざる【四天王寺・庚申堂】
こんにちは。
セイミンです。
今回は、四天王寺のすぐ近くにある庚申堂(こうしん・どう)をお参りしました。
もくじ
庚申堂
四天王寺は、日本最初の庚申さま出現の地で、現在、そこに庚申堂が建っています。
庚申会のはじまり
むかし、人間の体には、三尸(さんし)という3匹の悪い虫が潜むといわれてきました。
この3匹の虫は、庚申の夜にだけ、その人が眠っている間に、体を抜け出すことが出来ます。
そんでもって、抜け出したら、閻魔さまに、その人の罪を告げ口しに行く。
閻魔さん「それはけしからん」
ってことで、閻魔さまは、その人の寿命を縮める。
こわ〜
それで、みんなは、考えた。
寝なければいいんや!
ということで、庚申の日は、虫たちが体を抜け出して、悪さをしないように、一晩中起きているというのが、庚申会(こうしん・え)のはじまり。
庚申会では、青面金剛童子(しょうめん・こんごう・どうじ)の像を本尊として、三猿の像をまつり、夜を通して庚申をお祀りし、悪い虫が抜け出さないように見張る祭りです。
青面金剛童子→ 庚申さん
庚申さんは、その年の60日周期で来る庚申(かのえ・さる)の日にまつる神さま。
仏教の帝釈天(たいしゃく・てん)の使者である青面金剛さんの信仰と混合して、日本で流行りました。
庚申さまは、こんな人らしい。
ちなみに、本物は、青色です。
「青面」だから。
これが、青面金剛童子で、つまり、庚申さん。
四天王寺・庚申堂の由来
第42代目の文武天皇(もんむ・てんのう)の時代の庚申の日に、青面金剛童子は、降臨しました。
かっこいい。
なぜ降臨したかというと、当時日本には、疫病が流行って、どんな薬を使っても効果が無かった。
1月7日(当時の庚申の日)、四天王寺のお坊さんである毫範(ごうはん)さんの目の前に、16才ぐらいの少年が現れた。
そんで、その少年が、青面金剛童子さん。
「童子」(どうじ)は、仏教用語で、「少年」を意味します。
少年は、帝釈天の使いで、その少年の言う通りにしたら、疫病が収まった(この時、こんにゃくを配ったのかな?)。
三尸虫
ちなみに、閻魔さまに告げ口する虫、三尸虫(さんし・ちゅう)って、こんなの。
けっこう、グロい。
なんで、1人だけ人間?(笑)
三尸とは、
- 上尸(じょうし):頭の中に潜み、首から上の病気を引き起こす虫
- 中尸(ちゅうし):腹の中に潜み、臓器の病気を引き起こす虫
- 下尸(げし):脚の中に潜み、腰から上の病気を引き起こす虫
この三尸は、人が死ねば、体から出て自由になることができるので、人を欲深くして悪いことをさせたりして、寿命を縮めようと、常に隙を狙っている。
でも、その人が生きている間は、外に出れない。
だから、人の体から出られる特別な日(庚申の日)に、人が眠っている間に体内から出ていき、その人の悪い行いを閻魔さまにチクる。
わる〜。
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』で、10年に1日だけ、陸に上がれるってネタあったな(たしか、ウィルの話)。
パイレーツ・オブ・カリビアン
カリブ海の港町、ポート・ロイヤル。総監の娘エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)は、子供の頃に父とカリブ海を航行中に、海賊船に襲われた英国の船と遭遇した。
三猿堂
門をくぐって、すぐ左に三猿堂(さんえん・どう)があります。
みんな、知ってますよね。
これ、庚申さんと関係あったんや!
知らんかった〜。
庚申さんの「申」(さる)は、「神」の「礻」へんをとったら、「申」になるから、申(お猿)と神さまは関係が深いと、何かで読んだことがある。
良源さん(元三大師)の七猿歌
3匹のお猿の話は、
平安時代に、元三大師(がんざん・だいし)さんという比叡山のお坊さんが、7つのお猿の歌を詠んだ中に、出てくるのがはじめという説も。
関係のある歌だけあげます。第四、五、六番目の歌です。
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四、視ざるを愈(まさる)とする
何事も 見ればこそげにむつかしや
見ざるにまさることはあらじな - 五、聴かざるを愈(まさる)となす
きけばこそ 望みもおこれはらもたて
聞かざるぞげにまさるなりけれ - 六、言わざるを愈(まさる)となす
こころには なにわのことを思うとも
人のあしきはいわざるぞよき
つまり、
- よけいなものを見ない →よけいなこと考えない(見なければよかった〜)
- よけいなことを聞かない →ムダな望みが増えない(聞かなければよかった〜)
- よけいなことを言わない →心に思うだけでいい。言わなければよかった(それを言っちゃぁ、おしまいよwww)
鬼、しみるんですけど!
特に、3番目は、私、ガチ反省…
北向きこんにゃく
なんで、こんにゃく?
みんなの病を治したお坊さんが、こんにゃくで病を治したかららしいです(ググった)。
北を向いて、無言で食べるらしい。
恵方巻きのルールに似ている。
何で、黙るかはナゾ。
まとめ
庚申さんって、厳密に言うと、3匹のお猿を連れた青面金剛童子さんのことかな。
今日は、頂いた「こんにゃく」で、無言で、お酒飲んでます(笑)
旅は学び、
学んでまた旅、
セイミンでした。
またね〜。